平成24年度厚生労働科学研究費補助金がん研究事業(H24-がん臨床-一般‐012)
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休職中の過ごし方

ここでは休職中の過ごし方について考えます。

ポイントは2つ。情報を整理しながら、ソフトランディングを目指しましょう。

Point 1
自分の状況や見通しを会社に定期的に報告しましょう
Point 2
生活のリズムを整え復職の準備を始めましょう
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[Point 1] 自分の状況や見通しを会社に定期的に報告しましょう

休職中の方には、月に一度、給与明細書などの書類が会社から届きます。会社に必要な税金や社会保険料を支払ったり、ハンコを押して返信をしたり、会社とのやりとりが生じるはずです。このときに大切なのが、会社とのコミュニケーション(報告)です。付箋でもメールでも構いません。休職中はなるべく会社と連絡を取り合うことが大切です。

会社も、あなたの体調が心配です。でも、どう接したら良いか、なんと言葉をかけたらよいのか、わからないことがたくさんあります。そういうときは、思いきってメールのやりとりにcc で入れてもらうなど、こちらからアプローチをしてみるのも一手です。ちょっとしたコミュニケーションで、復職後、働きやすい環境をあなた自身でつくることができます。大切なのは、あなたに合ったやり方で、会社との接点をもっておくことです。

最近はフェイスブックやブログを使ってご自身の体調を伝えることがあります。ただし、書き込む内容は注意しましょう。

連絡メモの書き方見本
経理部 ****様
いつもお世話になっております。
明細書を受け取りました。ありがとうございます。(まずはお礼を)
*月*日付けで**銀行から振り込みをしましたので、ご確認願います。
みなさんはお元気ですか。
私の方は、薬をつかった治療が折り返しを迎え、少しずつですが、副作用との付き合い方もわかってきたところです。(今の状況と見通しを)
あと半年。復職へ向けて、心と体調を整えていきたいと思います。(自分の意思を)
また来月もお手数をおかけしますが、よろしくお願いします。
総務部1係 山田さくら
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[Point 2] 生活のリズムを整え復職の準備を始めましょう

復職の時期が近づいてきたら、次の3つのアクションを。

(1) 生活習慣を整える準備とその確認をしましょう

休職中は、生活習慣が乱れがちです。「体力が続くかな?」「同僚になんて言おうか?」と不安な気持ちでいっぱいです。復職の日にちが近付いてくればくるほど、不安感が増してくる場合もあります。

そのようなときは「私の生活日記帳」をつけてみましょう。書き方は自由ですが、ポイントは、以下の3点が日常生活の中で達成できているかを確認することです。

  1. 出勤することを想定した時間にきちんと起きられたか?
  2. 出勤している時間帯に生活できていたか?
  3. 疲れ度合いはどのぐらいだったか? 気持ちは?
〈主治医に確認すること〉
  • 復職後に休暇をとる必要がある日数(入院治療期間、通院治療期間)
  • 勤務を開始しても良い時期、その際に注意するべき事
  • 徐々に仕事量を増やしていくとすれば、その基準となる時期
(2) 模擬出勤も組み合わせて、自信をもっていきましょう
私の生活日記帳

体力に自信が持てないときは「模擬出勤」で確認してみましょう。

例えば、出勤する時間に起きて、電車でも自転車でも良いので外へ出て移動する。そして、勤務時間帯は図書館などで本を読んだり、自分の仕事があればそれを作業しても良いでしょう。これを2週間続けて、そのときの体調や電車の混み具合などを「私の生活日記帳」に書いてみましょう。

あなたが定時の時間までいるのが辛いようなら、復職の際に勤務時間等について会社側ときちんと相談してみましょう。〈あせらず、ゆっくり〉が大切です。

(3) 復職に必要な書類の準備をしましょう

職場に復職支援システムが整っている場合は、診断書などの提出を復職時に求められることがあります。何の書類が必要か、休職中に人事担当者へ確認しておきましょう。

また、復職に際して、職場に働き方の配慮を求めたいときは、主治医とよく話をした上で、診断書に記載してもらいましょう。

復職も、コミュニケーションが大切です。

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復職の成功例

理想的な復職はそれぞれです。シーンやタイミングごとに気をつけることはなんでしょう?

Point

復職のタイミングでは、主治医の復職可能の判断をスタートとして、まず、2週間の生活記録をつけてみましょう(「私の生活日記帳」)。気ばかりが焦って、体調が付いて行かないケースは多いですが、復職に失敗して再び休職に入ると、仕事に対する自信を大きく損なうということにもつながります。

ここは焦らず慎重に。勤務先に就労配慮を希望する場合、復職することの付加条件として、配慮してほしいことを伝えるとよいでしょう。あくまで「働ける前提だが、不安な部分があるので」というレベルで決して一方的なお願いにならないように、気をつけてください。職場のコミュニケーションは繊細な問題ですが、企業側の立場で考えてみることも大切です。

Aさん(36才)女性は、乳がんの手術と放射線治療、化学療法を終えて、復職を考えていました。休職して1年、ホルモン治療の副作用でまだ本調子とはいえないものの、仕事には復帰する気力も戻ってきました。主治医から就労可能の診断書を作成してもらい、会社へは復職の希望を伝えたところ、「体調はまずまずのようですね。では復職プログラムを始めてみましょう」とのことで、2週間の生活記録を取るように言われました。

所定のフォーマットに、起床、食事、読書や散歩など生活の記録をとっていきます。自分でも、規則正しい生活が復職に向けた自信に繋がっていることを実感しているようです。2週間後付け終わった記録を持って、産業医面談を受診。産業医は、休業が長かったことを考慮して、体調が確認できるまで、1日2時間の短時間勤務を勧めてくれました。時間短縮の分、給与が控除になることには少しためらいもあったものの、まずは「復職を成功させるためのソフトランディング」という産業医の言葉で、受け入れることにしました。

本人は会社へ、診察の日には有給休暇取得をする場合があること、術側の腕は浮腫を避けるために重い荷物は持てないこと、がんであることは必要以上に周囲に知らせて欲しくない事などを伝えました。産業医は人事部と連携をしているので、このことは部門にも人事部経由で連絡を取りました。復職日は5日後に決定しました。

復職3日前、人事部から電話があり、「Aさん、このたびは本当に大変なことでしたね。所属部署はもちろん、人事部もAさんの復職を応援しています。部門へは、Aさんの必要以上に心配をかけたくないという気持ちを汲んで、病気のことについては、ラインの上司とごく近い周囲の方だけにとどめるよう伝えました。職場では、距離が近いからこそ、言いづらいこともあるかもしれませんが、人事部のことも頼りにして下さいね。体調面で不安があれば産業医にすぐに連絡をしてくださいね」と言われました。

いよいよの復職日、朝礼ではまず、長期にわたりお休みをしたお詫びと、ほぼ体調も戻っているし、やる気も十分だが、まだ少しだけ不安な気持ちが残っていることを素直に話せました。Aさんは、みんなからの「お帰りなさい」の拍手が嬉しかったと話していました。

職場ではごく近しいメンバーから治療についてねぎらいの言葉をもらいましたが、密に接する必要のないメンバーは本当に何も知らされていないとAさんは聞いています。「本当に?」と勘ぐる気持ちも無くはありませんが、知らせたところで、何をして欲しいわけでもなく心配をさせるだけなので、この状況をありがたく受け入れることにしました。

このあとは月に1回産業医との面談が予定されているそうです。必要に応じ、上司との面談や人事部に話をすることもできる環境にあるとのこと。Aさんは、一人で悩まないようにしてくれている配慮は、本当にありがたいなということと、罹患前に築いてきた社内のネットワークがこんなにも心強いものかと改めて感じています。

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